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インプラントはどの位の年月もつのでしょうか?
カテゴリー:インプラント後に関すること, クリニックに関すること, ドクターに関すること
インプラントの相談を受けた時に、必ず聞かれるのが、「インプラントはどれだけもつものなのですか?一生ものですか?」という質問です。患者さんにとってインプラント治療は費用もかかるし、手術も1回限りにしたいので、できたら一生もって欲しいと言われるのだと思います。私は、「インプラントは歯科の治療法の中で最も長期に機能するものです」とお答えしています。骨と結合する現在のインプラントが考えられたのは、1965年ですので、約50年の歴史があり、状況が良ければ40年以上経過しているインプラントも多数あります。文献によると、5年間の生存率は98・4%、10年で92・5%などのデータがあり、10年間は問題なく機能すると言っても過言ではないと思います。(ただしこれは、正しいインプラントがただしく行われた場合の平均値ですので、適切な治療が行われていなければ同等のデータではないということを念頭に置いておいてください)ただ、インプラントの寿命を決定するいろいろな要素があるため、あなたのインプラントが何年もつかは人によってさまざまです。そして、インプラントの寿命を10年よりもっと長くするか、もっと短くしてしまうかは、実は術者であり、患者さんであるということを知っておいてください。
術者の要因:術者の経験の度合い。的確な診断と咬合を診る能力。
患者さんの要因:インプラント部位と骨の質と量。喫煙の有無。・メンテナンスをきちんと定期的に受けているか。
などが挙げられます。
また、歯周病にかかっていた人のほうがインプラント生存率が下がると言われていますが、歯周病にかかっていたという既往があっても、歯周病治療をきちんと行えば、健常な人との差はないという報告もあります。論文によってデータは異なり、まだ結論づけすることはできないというのが現状です。しかし、術者の要因、すなわち歯科医師の技術と経験と能力という因子は、明らかにインプラント成功率・生存率を左右します。このことは、どの論文においても統計学的に結論づけられています。患者さんにとって一番肝心なことは、良い先生を選ぶということです。そして、「自分の歯を、自分で守る」という意識を持ち続けることです。最後に、今まで私がインプラントの臨床にたずさわり24年になり、数多くの患者さんのインプラント治療を行ってきましたが、長期間にわたりメンテナンスされている患者さんから、「インプラントにして良かった。入れ歯の悩みから解放されて良かった」などの声をよく聞きます。やはり『インプラントに勝る治療法はない』という、昔からの私の信念に間違いはなかったと確信しております。
※インプラント治療(コンピュータガイド手術含む)には健康保険が適用できません。自由診療で全額自己負担となります。